日本の表現力

日本の表現力展に行ってきた。会場はできたてほやほやの国立新美術館。昼近くに起きて、今日が最終日だということを知ったので、大慌てで身支度し、六本木へ。自分の意思で六本木に行ったのは初めてだ。でも、ヒルズとは反対方面である。
マスコミでよく取り上げられていただけあって、人が多かった。日本の表現力展自体はそれほど大きいものではなかった。鳥獣戯画の時代から、2000年代の最新アニメ/マンガ/アート/エンターテイメントまで紹介されていた。
1980年代、ファミコンの時代。ドラクエⅠが展示されていて、小学校2年くらいの男の子がプレイしていたのだけど、ドラクエⅠと言ったら勇者が前を向いて後ろに進むころであるから、今のゲームをやりなれている子にとってはちょっと変な感じがしただろう。しかし子どもの柔軟さでそれはうまくやれていた。
しかし、ダンジョンに入ったら、勇者しか見えなくなってしまった。そう、ドラクエでは「たいまつ」を使わないと、何にも見えないんだよね…。何も無いところで「ホイミ」とか「ギラ」とか、手当たり次第コマンドを選択する坊や…思わず肩をたたいて、「どうぐからたいまつを選ばないと周りは見えないんだよ」と教えてしまった。坊やは「めんどくさそうな大人が話しかけてきた」と思ったのだろうか、「分らない…」とつぶやきながらどこかへ行ってしまった。
1990年代以降、「オタク」テイストな文化が世界に評価され、日本独特のアートとして認知されていったのであるが、2007年の今日、この展覧会に来ていたのはその流れを生み出し、牽引しているオタクな若者ではなく、ちょいコジャレた若者たちであった。いかにも美大〜、中目黒〜って感じの(偏見)。まあ、本当に「進んで」いる人たちは、このような過去を回顧するような展覧会には来ないか。

http://plaza.bunka.go.jp/ex/index.html(日本の表現力・公式サイト)