まるで海を見たことのない子のように

研究室のみんなで喋ってたときのことです。
上司:ソニーとかトヨタとかさ、何万人って社員を抱えて、利益を上げて、その社員と家族を食わしてるじゃない。
私:はい。
上司:なんでそんなことできるんだろーって不思議に思ってたんだけど、最近そのわけが分った。
私:な、何ですかっ!
上司:みんな、一定の役割を与えられて、個人がきちんとその役割を遂行してるから、大きな利益が得られるんだよ!
私:!なーるほーど!

傍から見てると「あほか」と思われそうな会話ですが、本人達は結構真面目です。
ていうのは、普段うちの研究室のスタッフは「何でも屋」しかやってないからです!!
ホームページを作る。映像を編集する。経理をする。ポスターをデザインする。イベント会社まがいのことをする。etc・・・。
のんびり文献とか読んでられません。フィールドが増えれば増えるほど役割が増えます。
いろいろやれて楽しいけど、忙しくなると一つ一つがおざなりになります。
「ああ、プロが作れば、こんなのすぐなのにー!」って思うことが多い。けど、外注できるほどお金ないし。そして、素人だから多分、すっごい無駄なことをやっていると思う。でも素人だからその無駄が分らないんだけどさ。
小さな組織(親方とその弟子達)で家内制手工業をやっている者たちが、大きな組織で人が働いている様子を想像するのはとても難しい。そういう感覚がないから。
だから、冒頭のあほみたいな会話になるわけです。
想像するに、大きな組織の意思決定系統や情報伝達、そして役割分担は、芸術的によく練られた画なのだと思う。曼荼羅みたいなのか、生命の樹なのかはわからないけど。もしくは、とても複雑なピタゴラ装置なのかな。ひとりの仕事が次の人に影響し、さざなみのように組織全体へ波及していくような・・・とても興味深いです。
というわけで、一度は大きな組織で働いてみたいな。あと、大きな組織は福利厚生とボーナスがあるからいいですね!!