モテる男の秘訣はローマにあった。
ローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上) (新潮文庫)
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/08/30
- メディア: 文庫
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また「ローマ人の物語」を読み始めてます。カエサルまで来たよ。
ところで、カエサルという人は、とてもモテたらしい。その秘訣について、著者が考察している。男性諸氏には有用な情報ではないかと思うので、ここに引用しておきます(pp.207〜210)。
いずれにしても、やたらと女たちにモテたことだけは確かなカエサルだが、女にモテたということだけなら、史家も研究者も、羨望までは感じないのではないか。モテるだけならば、剣闘士だって俳優だってモテたのだから。立派な男までが羨望を感じるのは、それでいてカエサルが、女たちの誰一人からも恨まれなかった、という一事ではないか。モテることも男の理想だが、モテた女から恨みを買わないという一事にいたっては、それこそすべての男が心中秘かに抱いている、願望ではないかと思う。
ほうほう、そういうもんですか。
なぜなら、一人前の男なら、自分からは醜聞を求めない。だから醜聞は、女が怒ったときに生まれる。では、なぜ女は怒るのか。怒るのは、傷ついたからである。それならどういう場合だと女は傷つくのか。
うんうん。大前提は、スキャンダルに自分からはまみれない、ということですね。そもそもうかつなことはしない、と。
女は無視されるのが何よりも傷つくのだ。
そうそう。そうだと思うよ。塩野さんは他のページでも繰り返し言っている。
重ねて言うが、女が何よりも傷つくのは、男に無下にされた場合である。
いやまったくそのとおり。
では、カエサルはどのように女と付き合ったのか。その辺を引用します。
まず第一に、愛する女を豪華な贈り物攻めにしたのはカエサルのほうである。
現代日本なら、銀座のビル2つくらい買えるような莫大な借金をしてまで贈り物をしたそうです。
そして第二だが、カエサルは愛人の存在を誰にも隠さなかった。彼の愛人は公然の秘密だった。いや、女の夫まで知っていたのだから、秘密でさえもない。(中略)…公然ならば、女は愛人であっても不満に思わないからである。
これは結構勇気が要りますね。夫に刺されないかとひやひやしますが。身体を鍛えといたほうがよさそうです。
また、理由の第三は、史実によるかぎり、どうやらカエサルは、次々とモノにした女たちの誰一人とも、決定的には切らなかったのではないかと思われる。つまり、関係を清算しなかったのではないかと。
カエサルは、後に自分を暗殺するブルータスの母と20年間愛人関係だったそうですが、ずいぶん後、ブルータスと敵対し戦闘になった時も、戦闘終了後に消息を確かめ、ブルータスの母に連絡をしていたりしていたそうです。そういう意味でも清算しなかったってことです。
関係を清算しないことのもっと具体的な例を引用したいと思います。
例えば、妻同伴のカエサルが、夜会の席か何かで以前の愛人と顔を合わせたとする。
こりゃ気まずいですね。
並の出来の男であれば、困ったと思うあまり、意に反して知らん顔で通り過ぎたりする。
ふつうそうです。
ところがカエサルだと、そうはしない。
えー、しないんだ。さすがカエサル。どうすんだよ。
妻には、少し待ってとか言い、どうなることやらと衆人が見守る中を堂々と以前の愛人に近づき、その手をやさしく取って問いかける。「どう、変わりない?」とか。
!!
みなさん、優しく手を取って「どう、変わりない?」とか聞いてください。
どうでしたか?参考になったでしょうか(笑)
こんな面白いことも書いてある「ローマ人の物語」。ずんずん読み進めて行きたいと思います!!