おと・な・り

先日、おと・な・りを観にいった。
静かな映画でした。

(下にネタばれ書きます。観る予定の人は気をつけて!)


前半、岡田くん演じる男の家に友人の恋人(しかも妊娠している)が、半狂乱で乗り込んできて、恋人の名前を叫びながら家の中の扉からたんすから全部開けていく、というシーンがあった。
男の職業はフォトグラファーなのだが、乗り込んできた女は、作業中だった暗室まで入り込んで探したので、写真がだめになってしまった。もう、自分のことしか考えられない、そんな状況。演技と分かっていながらも、その様子を見てぞっとした。
もうひとつ。麻生久美子演じる女が、いつも行くコンビニの店員に花束を渡され、急に告白された。もうすぐフランスに留学する予定なのに・・・と戸惑いつつ、一生懸命考える女。しかし後半、その告白は嘘で、コンビニの店員の男は自分の小説のネタにするために、そういうことをしたのだということが分かる。
勝手なことが書いてある原稿を読んで怒る女に対し、「何が悪いんだよ、そのとおりだろ?」と平然と言い放つ男。「私はこんなこと思ってない・・・」と悔し涙を流す女。
あー、もしもこんなことが起こったら、わたしゃ、三日は寝込む。ショックでしばらく立ち直れぬ。


静かに進む恋(岡田君と麻生久美子)を描いた映画なのだけど、私にとっては「こ、怖い・・・」と思うエピソードが二つもあって、今振り返るとそれってなんだか面白いと思う。