鎌倉で宇宙の人に遭遇

かねてから行きたいと思っていた、鎌倉のカフェ、ゴーティーのライブに行きました。

直前になっても誰も捕まらなくて、どうしようかなあと思っていたら、しーなねこ氏がつかまりました。声をかけたとき、しーな氏は、ネットで私生活を生中継という、ひとりトゥルーマン・ショーをやっていました。画面から煮詰まっている感がむんむん出ていたので、甘言を弄して連れだしてしまいました。すいません。
会場の15分前くらいにゴーティーに行ったら、まだリハーサルをしていました。男性が出てきて、「もう今日は予約が満員なんです」的なことを言います。『予約なんかあったのか…』半ば無理やりしーな氏を連れてきた手前、ここで入れないとまずいです。困って「えー」、とか「うー」とか言ってたら、「もしかして、誰かの紹介ですか?」と付け加えて聞いてくれました。なので、紹介者の名前を出したら、すんなり入れてもらえることになりました。よかった。
開演までの時間、キャラウェイの山盛りカレーを食べました。聞けばしーな氏は昨日から毎食カレーなのだそうで。『どんだけカレー好きなんだ』と思いました。
ゴーティーに戻って、入場料とドリンクを頼んで、席へ。客層は若くておされな人が多かったです。一人だけ、だぶだぶな服にじゃらじゃらアクセサリーをつけたブラックな方がおりましたが、他はおされでした。男子はパタゴニア着用率が高かったです。ホーミーのライブにしては、来ている人がそんな風だったので、ほんとにホーミーかしら?と心配になりました。


最初の演者は現代のフォークソングといった感じの弾き語りで、私が聴きたかったホーミー&アコーディオンの方は2番目の出演でした。ポスポス大谷さんという方で、リハーサルの時案内をしてくれた方でした。
ポスポスさんの歌は、きれいで物悲しいアコーディオンの和音とともに、のどにかかった声で歌い、途中にホーミーを入れるという*1ものでした。ホーミーはいろんな歌い方があって、私が習ってない歌い方もありました。ああ、この人はこういう風に倍音をつかっているのかあ、と感心しました。
というのも、喉歌口琴の講座の最後の日、先生が、口琴のある国の曲を演奏する日本人もいますが、と断わってからこうおっしゃったのです。「口琴の伝統が途絶えてしまった日本で、口琴を使って何をするかが大切です。これから我々が文化を作っていくんです」と。*2
ポスポスさんの音楽は、曲に声がすごくマッチしていて、一つの世界を形作っていて、すごく圧倒されました。物悲しくもあり、コミカルでもあり、聴きにきているお客はみんな、不思議な世界に触れたくて来ているんだと思いました。
ポスポスさんのホーミーは上手なのかどうなのか、ということを帰りの電車でしーな氏と話しました。私もあんまりホーミーをたくさん聴いていないので、比較が難しいのですが、ポスポスさんよりも先生のほうが、倍音が大きく響いていてより聞き取りやすかった気がするし、以前知人が出した声のほうが金属のような音が響いてすごかった気もします。じゃあ、ホーミーの上手い下手が倍音の部分を大きくきれいに響かせることなのかというと、そうでもないと思います。ホーミーのような歌唱法は中央アジアのあちこちの国にあるようだし、そうなると、その国特有の音楽に合った歌唱法が発達しているはずですから、比較することに意味はないのかもしれません。


演奏が終わり、私がなるほどなるほど、と思いながら横を向いたら、しーな氏がハンカチで顔を拭き、「涙がでてしまいました」と言ったので、たまげました。しーな氏はしーな氏で、私が思いも及ばないところでポスポスさんの表現に感じ入っていたのでした。うーん、ポスポス大谷、すごすぎる。


他の方々の演奏が終わり、帰り際、ポスポスさんとお話しすることができました。
私は口琴ホーミーを習ったばかりで、とか、しーなさんは歌詞のことについて感想を言ったら、ポスポスさんはがぜん調子を上げて、滔々と話し始めました。それは主に宇宙のこと*3で、ご自分の経験とか、これまでの研究成果とか、いろんなことを教えてくれました。横でしーな氏がうんうんといちいちうなづいていました。
ポスポスさん曰く、倍音やっている人は結構宇宙系が多いんだそうです。それって私も含む?でも私は宇宙系じゃないけど…。
一度は違うと否定してみましたが、よくよく思い出すと、子供のころ父方の祖父母の家になぜか「ムー」がたくさんあってそれを読んでたとか、深夜番組の「アニマ・ムンディ」っていうのをビデオに録画して欠かさず観てたとか、小さいころ死について考えてたとか、亡くなった祖母は子供のころ河童をみたことがあるとか、思い当たる節が無きにしも非ず。それはなんとなく忘れていた事実。
大きなくくりで言うと、私も宇宙系かなあ、ホーミーに興味持っちゃったもんなあ。などと考えながら、家に帰ったのでした。


そんなわけで、講座を修了し、ちょっと倍音の世界に触れた私ですが、今回のライブに行ってみて、さらに倍音を使った表現方法に触れたいと思うようになりました。みんなどんなふうに工夫してるんだろうなあ、って。気になります。
しーなさん、お付き合いいただきどうもありがとうございました。

*1:文字にするとつまらんですね。

*2:口琴は日本で江戸時代に大流行したのですが、禁止令が出てすたれたのだそうです。喉歌はもともとないようですし。

*3:しーなさんやひのじさんがよく話している宇宙です。