歴史と風土

歴史と風土 (文春文庫)

歴史と風土 (文春文庫)


司馬遼太郎が歴史についてさまざまな時代、人物、角度から語ったもの。収められている語りは昭和40年代後半から50年代後半までに雑誌に収録された。本当によく歴史を知っているし、その上で自分の考察も加えている。歴史から将来を予見する部分も。司馬さんが今の時代を見たら、どういう風に語るのかなあ。
私が面白いと思ったのは、「関が原私感」。関が原は東軍西軍と別れたが、日本中の人が「関が原で何か大きな戦があるそうだ」と意識した戦だった。というのは、今まで局地戦しかなかったそうだ。また、関が原後は日本中ががらりと変わった。たとえば今「功名が辻」で有名な山内家は、土佐を封土されたが、その前にいた長曾我部家は追い出されてしまった。土佐にすむ人たちは徳川時代ずっと山内家に支配されていたわけだが、ずっと「進駐軍」という感覚だったらしい。だから秘密の庄屋同盟ができて、自分たちの本当の主君は天子様だ、という一種の万民平等ともいえる過激思想が起こったらしい。
へーへーへー(80へぇ)。