カイエ・ソバージュを読みすすめてます

人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書メチエ)

人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書メチエ)


熊から王へ カイエ・ソバージュ(2) (講談社選書メチエ)

熊から王へ カイエ・ソバージュ(2) (講談社選書メチエ)


このシリーズを読むと、胸が熱くなり、どきどきしてくる。とても楽しい。そこら辺の小説を読むより楽しめる。そして考えさせられる。

人間の脳は旧石器時代に完成をみた。現在の人間の営みは石器時代とは違うが、ハードは同じであるから、思考や表現は、形態は違えど同じなのである。古代から伝わる「神話」といわれるものは、姿を変えて現代では「哲学」と言われている。また、世界各地に散らばる神話や民話に共通の要素が見られるが、それは、アフリカ大陸から始まる人類の移動やハード(脳)の共通性に関係がある。(人類最古の哲学)
神話や民話は泥臭い。時々オチがないこともある。しかし、生き方や考え方、自然と人間の関係性についてイメージに直結するインパクトを持つ。そういう時代が何万年も続き、なぜ、数千年前から宗教が生まれたのか。そして2千年前に一神教が生まれたのか。その後一神教の世界(イスラム教・キリスト教)では形而上学が高度に発達し、2千年後地球を席巻したのか。シリーズの中で語られていくと思われる。
私は抽象的思考、論理的思考が苦手であるので、「神話的思考がんばれ!」と思う(単純?)。あと、日本人として生まれたからか、西洋的な思考にもかろうじて「違和感を感じることができる」と思っている。教育は西洋的だから、ほんとうにかすかなチャンネルしか残っていないと思うけど。世界の標準の先っぽのほうに生活しながらも、違う視点も持つことができる。異質なものに好奇心を持つ(イザベラ・バードが「日本奥地紀行」で報告しているように)国民性。そんなところに生まれたのはとても幸運なことだろう。そんな幸運を今後どのように生かし、いかに理解し、発信していくかが問題だし、日本に生まれた者の使命ではないだろうか(なんちってかっこいい?)。

日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)

日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)

どうでもいいけど、このご時世、「日本」とか「国民性」とか書くと、緊張しますね。巻き込まれたくはない・・・。