はからずも、皇室フィーバーになってしまった(昭和天皇(上)を読む)

今読んでる本。

昭和天皇(上) (講談社学術文庫)

昭和天皇(上) (講談社学術文庫)


昭和天皇(下) (講談社学術文庫)

昭和天皇(下) (講談社学術文庫)


まだ上巻だけだが。アレクサンドル・ソクーロフ監督の「太陽」を観たくて、でもその前にちょいと勉強、と思って買ってみた。日本人の書く天皇評というのは、なんとなく偏っているのではないか?という気がしたので、2001年ピューリッツァー賞を受賞した、アメリカ人の著作を選んでみた。
「太陽」は海外ではじめ公開され、日本では上映できないだろう、という予想がされていたが、その予測は外れた。銀座の単館上映から始まり、あちこちで上映されるようになってきている。私は雑誌の映画欄で読んで知ったが「めざましテレビ」や「王様のブランチ」なんかでも紹介されるようになり、すっかり認知されている。
「太陽」公式サイトを読むと、ソクーロフ監督がどのように昭和天皇を解釈したのかが書いてある。

彼はあらゆる屈辱を引き受け、
苦々しい治療薬をすべて飲み込むことを選んだのだ。

しかし、ハーバート・ビックスの「昭和天皇」の解釈は異なる。この本では、昭和天皇がどのような環境でどのような教育を受けてきたのか、そのころの政治的背景はどうだったのか。彼に影響を及ぼした人物は誰か、彼はどのような選択をしたのか…。現在公開されている資料を元に事実を述べているが、一貫して流れている著者の姿勢は、「彼は自分で選ぶことができた」状況にあった、ということだ。そのころの日本の頂点に立つ人物としての責任を明確に問うている。
いっぽう、「太陽」の昭和天皇は、まだ観ていないから想像だが、おそらく「無垢な」「受身の」といった言葉が合うような、そういう人物として書かれているのではないか。
どうやら、後者の天皇のほうが日本人の心情にマッチしている。大多数はそういう気持ちで天皇をみたいのだ。だから多くの人が映画館に足を運ぶ。なんせ、「めざましテレビ」でも紹介されたのだ(「めざまし」ほど当たり障りのない情報を流す番組は無いからな)。
かく言う私も、そのひとり。なんか、気の毒な(?)人というイメージなのだ。生き残って、戦後を引き受けて、いったいどんな気持ちで生きたのだろうか、と。しかし、ビックスの本の帯に「その、反省なき人生」というようなことが書いてあり、びっくりした、が、それもそうだとも思った。ヒトラーもムッソリーニも自殺したもんなあ。(反省して死を選べばよかったのに、といっているわけではないぞ)うーん。
これは上に立つものの責任を明確に問う西洋と日本の違い?それとも、日本と世界中の違い?日本人はずっとそういう風に天皇をみていたのか?それとも、明治以降の作られた「天皇観」なのか?
いろいろ疑問がわいて、興味深い。その上、今はこんな状況だしねえ。なんか最近、凶悪事件のニュースが少なくないかい?

とまあ、日々の雑事から逃避してます。ははは。