偉人ばっかり

今日、仕事をしていたら、補助スタッフ(母の年齢とあまり変らない、パートタイムで仕事に来ている主婦)の方から、質問を受けました。
「小宮山さんに聞いちゃえと思って。標準偏差を手計算で出す時、どうしたらいいんですか?」
がーん!そんなのパッと出てくるわけないじゃないですか。
しどろもどろになって、秘蔵の統計学の本(「やさしく学ぶ!」とか、「初心者のための」といったタイトルの本ばかりが増えていく今日この頃…)を引っ張り出し、あわあわと標準偏差のページを繰り、算出方法が易しく書いてあるページを探し出しました。
「この本いいですねえ!私買おうかしら。…ついでにもうひとつ聞いていいですか?カイ二乗値ってどうやって出すんですか?」
ががーん!そんな、カイ二乗検定なんて、いっつもモーローとしながらやってるから良く思い出せないし、分析ソフトの動かし方だって行き当たりばったりなのに!
さらにしどろもどろになって、統計の本を探しまくる私。
「あっ、ここに書いてあります!“セルごとに、期待値で実測値マイナス期待値の二乗の値を割って…(本を棒読み)”」
「期待値ってなんですか?」
がーーーん!知らん。私が聞きたい。

この方は、元は普通に主婦をされていたんですが、あるプロジェクトの住民ボランティアをフィールドで募集した時に参加してくださり、今では認知検査の検査者を担当され、その上そのデータ管理もしているとゆー方なのです。
「現場は分るんだけど、研究員の皆さんが話す専門的なことが分らなくて…ちょっとでも分ればいいなと思って、勉強したくて…」
と、今年から通信制の大学の科目履修生を始めたという人で、今てこずっているのは統計学ですが、受けてて楽しい科目は認知心理学だとか。(ちなみに、好きなことは「晩酌」だそうです。)

自分が将来、「この方の年齢になって、新しい分野を一から勉強することができるだろうか?」と、考えると、「無理かも!」と思ってしまいます。ほんとに恐れ入る人です。

うちの研究室は、「主婦だけど××」とか「退職後に○○」とか「80歳近いけど○○」とか、なんかそういう人が多いです。みんなすごいので、若者はただただ白目をむくばかりです。

らくらく図解 統計分析教室

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↑私を窮地から救ってくれた本です。