ファミリーヒストリー

正月休み風邪をひいて、ほぼずっと家にいたのだが、その暇な時間に父から「こういうことを話す機会が今後ないかもしれないから」ということで亡くなった祖父の人生について聞いた。

祖父は明治生まれであった。曽祖父は釜屋惣兵衛と呼ばれ釜を作って(金属加工?)おり、今でいう中小企業の社長みたいな立場だったらしいが、祖父が高等小学校を卒業するころ、人の借金をかぶって破産したらしい。
祖父はまず浄瑠璃をやってる家に丁稚奉公に出された。その後めぐりめぐって今でいう建設会社に入り、夜学に通って建築士になり、工場を建てたりしてあちこち転々としていたという。
真面目で酒も飲まず、女遊びもせず、趣味と言えば古寺を巡ってご朱印を集めるという、激烈に地味な祖父…。
ちなみに、今ご朱印集めは父方のいとこ(独身)がやっている。へもい。
当時としては結構な晩婚で、同僚に11歳下の妹を紹介され、ノモンハン事件のころに結婚した。
祖母もまた苦労した人だった。山形県の米沢の米問屋の生まれだったらしいのだが、兄が身代をつぶしてしまい、きょうだい達が散り散りになった。祖母はそのきょうだい達の間を転々としていたらしい。ちょうどのそのころ、11歳も上の祖父を紹介され結婚。
私の父方の祖父母は両方とも零落した家の子だったのかあ…と言ったら、父から「そういうことは昔はよくあった話だ」と言われた。
困っていて、11歳年上の人に嫁いだ祖母はどんな気持ちだったのかなあ、とか、今の年齢だからこそ考えてしまうこともある。
他にもいろいろ話を聞いたけど、小宮山(仮名)家の人たちというのは、

  • まじめ
  • 要領はそんなによくない
  • 能力がずば抜けて高いわけではない
  • 人がいい

という特徴の人たちみたいで、いろいろ困ったりしながらも、ふてくされず堅実に生きてきたみたい。
私んちは、なんていうかまあ、とんでもないことをした人がいるわけでもないし、すごい文化人がいるわけでもないし、もう「由緒正しい庶民」としか言いようのない家柄なわけだけど、愛すべき小市民といった人たちで、なんかよかったなあと思いました。